ツァガーンサル(白い月・旧正月)は冬を無事に越え、春を迎え、一年を健康に過ごしたことを祝うモンゴルの伝統的な祭りで、13世紀から行われてきました。チンギスハーンの時代には春の初めに行われ、家畜が生まれ、食料が豊富になる時期にあたります。
今年のモンゴルのツァガーンサルですが「木蛇の年」の新年を2025年3月1日に迎えています。モンゴルの人々は旧年を送る儀式として「ビトゥーン」をツァガーンサルの前の日にお祝いしています。
ガンダンテグチェンリン寺院からの情報によると、今年はトグスブヤント新暦に基づいてツァガーンサルを祝うことになり、これはモンゴルの地理的位置、太陽と月の動きに正確に一致するように設定されています。
ビトゥーンの儀式: 新年の前日、つまりビトゥーンの日には、すべてのものが完全であるべきだというふうに言われています。この日には、旧年の借金や未解決の問題を片付ける習慣があります。日が沈んだ後にビトゥーンの儀式が始まります。ビトゥーンという名前が、ビトゥーレフ(お腹がいっぱいになるまで、満たされるまで食べるという意味を表します)という言葉に有来しています。家族皆で一緒に好きな物を食べたり、伝統的なゲームのシャガイで遊んだりして過ごす時間が大事にされています。
新年の儀式: 新年の朝、日の出とともにツァガーンサルの儀式が始まります。この日には新しい衣装を着て、きちんと掃除しておいた家で皆が互いに挨拶を交わし、伝統的な料理ボーズをはじめ肉、サラダ等色々な料理を食べます。挨拶は家族の中で一番年上の人を尊敬し、おじいさん、おばあさん、そしてお父さん、お母さんという順番で行われます。ビトゥーンの日から準備しておいた、お祝いの机上のタブギーンイデー(モンゴル伝統菓子)やオーツ(羊の肉)、ウブチュー(牛肉)、アイラグ(馬乳酒)、その他の乳製品や食べ物が食事の主要な部分を占めます。
オーツ: 羊の6本の肋骨と背骨の部分を指し、机に置く際には右手に4本の高い肋骨を置きます。
ウブチュー: 牛の胸肉を蒸し焼きにした肉のことを指します。
ツァガーンサルの時は国全体で一週間程度休暇となり、ツァガーンサル明けに学校、企業等で仕事に復帰したら伝統的な衣装デールを着て皆が職場でも挨拶し合います。