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新年度がスタート
2019-09-24

ここモンゴルでは、9月、教育機関の新年度がスタートします。新年度が明けて約3週間が過ぎましたが、幼稚園では朝、入園したばかりの子どもでしょうか。保護者と離れたくない子どもの泣き声が聞こえてきます。これはモンゴルの幼稚園でも日本の幼稚園でも見られる光景です。日本のほとんどの学校も2学期が始まり、実りの秋を迎えますね。

筆者勤務地近くの幼稚園

さて、新年度が始まったということで、モンゴル国家統計局から出された2018年の統計手帳(統計白書)を元に、今回はモンゴルの教育に関する数字や教育制度等についてご紹介いたします。

モンゴルの義務教育機関は、2008年度~2009年度から5.4.3制に移行しています(図1参照)。
初等教育は6歳で入学し5年間、その後4年間が前期中等教育、ここまでが義務教育です。私立学校を除いて、義務教育段階の学費は全額国家負担です。そして未就児については、9月1日現在、1歳6か月から入園でき、年少(1歳6ヶ月から2歳)、年中(3歳)、年長(4歳)、就学準備(5歳)に分かれています。教育・文化・科学・スポーツ省の管轄で国立幼稚園の保育費は国家負担です。しかし、就学前教育機関もそれ以上の教育機関も、たとえ国立の学校であっても学費以外に必要な経費は必要で、保護者の負担も大きいようです。

一般教育学校(Ерөнхий боловсролын сургууль)803校、そのうち国立・公立の学校が656校、私立が147校です。教師数は30,411人、生徒数は約593,150人(男子297,592人、女子295,558人)です。ちなみに就学前教育を見ると、幼稚園は1,435園、そのうち国立・公立の幼稚園は889園、私立の幼稚園は546園です。サークル的なグループは7,903あります。261,354人(男児133,333人、女児128,021人)となっています。889園に239,764人の子どもが通い、546園に21,590人の子どもが通っているのですが、幼稚園のキャパシティの問題もあると思いますが、国立の幼稚園にものすごい人数の子どもたちが通っているようですね。さらに高等教育ですが(大学、単科/専門大学、カレッジ)、モンゴル国内に94あって、そのうち国立は18大学、私立は73大学、海外校は3校です。学生数は157,625人(男子学生93,552人、女子学生64,073人)で、そのうちの55.8%が国立大学、44%が私立大学、海外校には0.2%に通っているそうです。

2016年の統計では、就学前教育の在席率は176%、初等教育は104%、中等教育は100%、高等教育は65%となっています。初等教育機関では、生徒の数に対して教室や校舎の数が圧倒的に足りず、二部制、三部制のカリキュラムで教育がなされています。

持続可能な開発目標(SDGs)は,2015年9月の国連サミットで採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」にて記載された2016年から2030年までの国際目標です。持続可能な世界を実現するための17のゴールのうち4つめに挙げられている「質の高い教育をみんなに」の実現を目指し、子どもたちが学ぶ楽しさを感じながら夢や目標に向かって学習できる環境を提供したいものです。

参考)モンゴル国 国家統計局サイト
http://www.en.nso.mn/