モンゴルの西部には少数民族であるカザフ人が住んでいる。そのカザフ人の春の訪れを祝う「ナウリズ(NOWRUZ)」と言うお祭りが、2025年3月22日(土)に独自の文化遺産を次世代に伝え、モンゴルを世界に宣伝する目的で初めてスフバートル広場で開催された。同イベントで、カザフ民族のコンサート、演劇が行われ、クラシュレスリング、伝統的なゲーム、料理の試食、手工芸品の販売があった。また、カザフ・ゲル(伝統的な住居)やモンゴル犬に触れ合う機会も提供された。
2009年、ユネスコはナウリズ祭を人類の無形文化遺産代表一覧表に登録し、その深い文化的意義と、異なるコミュニティ間の相互理解を促進する役割を認めた。2010年、国連総会は3月21日をナウリズの国際デーと宣言し、平和、団結、再生というこの祭りのテーマを世界的に奨励した。
古代の起源
ナウリズの起源は、古代ペルシャ帝国とゾロアスター教の暦にまで遡る。そこでは、ナウリズは一年で最も神聖な日の一つとされていた。もともと自然の再生を祝う神聖な時期であったナウリズは、何世紀にもわたって、数多くの民族言語や文化のコミュニティに受け入れられる世俗的な祭りへと進化した。その永続的な魅力は、光が闇に打ち勝ち、自然と人間の精神の両方において新たな始まりが約束されるという強力な象徴性にある。
伝統と儀式
ナウリズは、地域によって異なるものの、再生と希望という共通のテーマを共有する活気に満ちたお祭りである。最も大切にされている伝統には次のようなものがある。
春の大掃除とリニューアル
ナウリズに備えて、家は徹底的に掃除される。これは「過去のほこりを払う」という習慣として 知られていて、たとえば新しい服の購入などがあげられ新たなスタートと物理的および精神的な空間の浄化を表している。
料理の伝統
ナウリズのお祝いでは、食べ物が中心的な役割を果たす。家族や友人と一緒に特別な料理を準備し、一体感を育む。たとえば中央アジアでは、サマヌーと呼ばれる甘い小麦のプリンを何時間もかけてゆっくり調理する。これはゆっくりと確実に春と新しい始まりが訪れることを意味する。
・その他の文化的慣習
これらの儀式以外にも、ナウリズはさまざまな方法で祝われる。
詩と音楽: 朗読、伝統的な歌、地元の音楽演奏を通じて、地域の芸術的遺産を祝う。
ストリート フェスティバル: 多くの都市では、野外のお祭り、パレード、集会がこの機会を祝い、地元の慣習と共通の精神が融合される。今回スフバートル広場で行われていたのはこれにあたる。
水の補給: 一部の地域では、年末の水曜日に各家庭で水の補給が行われる。これは、水の浄化力とリフレッシュ力を象徴する儀式である。
出典:
- https://montsame.mn/en/read/364785
- https://www.un.org/en/observances/international-nowruz-day#:~:text=Nowruz%3A%20A%20timeless%20celebration%20of,triumph%20of%20light%20over%20darkness.