「みなさん、日本はお米の大産地だとご存知ですよね。降水量をはじめ気候も稲作栽培に適しています。日本の米生産量は、日本国内の需要と供給を十分満たし、残りもたくさん出ています。その残りの米を海外で安値で売買しているらしい。モンゴルは、羊の肉・乳製品の生産など牧畜が盛んな酪農国ですが、小麦の栽培を行っていますし、米も主食の一つ。しかし、稲作は「寒冷で乾燥した気候や設備のコスト面から難しい」との理由から普及しておらず、中国などからの輸入に頼っています。いつまでも外国産の米に頼ってばかりでいられません。だからお米の栽培はモンゴルでできるのかと以前からら私は疑問に思っています。多くに人が私のように思っているかもしれません。そこで私は、自ら調べ始めたことをここで記します。
モンゴルの農業といえば、統計的にはGDPの21%を占めていますし、モンゴル労働者の42%が農業に携わっています。モンゴルの土地は広いですが、農作物の栽培に適している土は全体の1%に過ぎないと言われています。それはおよそ1,322,000ヘクタールです。栽培期間は95から110日だそうです。その上、灌漑設備は古くなって劣化しています。「これでは、米の栽培は無理だな」と嘆いていたところ、日本の北海道滝川市が実施した「モンゴルで稲作栽培実現に向けて」という記事を目にした(2013年9月)。その記事によると2010年4月に第69代横綱白鵬関が当市の観光大使に就任され、就任にあたり、「自分の体を大きくしてくれた米をモンゴルでもつくりたい」という強い希望が白鵬さんから述べられたそうです。そして2010年6月に白鵬さんの思いを具現化するため、市長を団長とする調査団(JAたきかわ 代表理事組合長を含む)を現地に派遣し、稲作栽培予定地の調査などを行われました。その結果、モンゴルに適した品種改良などが条件ではあるが、栽培を行える可能性があると判断し、その第一歩として、2011年度よりLGOTP事業を活用した農業技術研修員を滝川市に招聘し、稲作の基本的な知識と技術を学んでもらうことにしたそうです。
記事によれば、2012年度はウブルハンガイ県の4地区で稲作栽培を行い、ビニールハウス 20㎡で25kgを収穫したとのこと(10aあたりに換算すると約 125kg。滝川市の 平均的な収穫量10aあたり 約500~550kg)。5月末に雪が降るという悪天候に見舞われ、残念ながら露地栽培は失敗に終わったそうですが、LGOTP研修員や農業技術専門家の努力で、ハウス内ではありますが、技術の基礎を築くことができました。 滝川市今後も、可能な限りモンゴル国への農業技術支援を行いたいと考えておられますが、一方通行の受け入れや指導ではなく、両事業を有効に利用した相互協力の形をとっていければと考えておられます。「国際協力は人のためならず」。LGOTPやモデル事業をとおして、モンゴル国そして当市や周辺地域が元気になってくれれば、こんなにうれしいことはない」と日本の技術者の皆さんはおっしゃっています。
私は様々なフィールドで技術協力行っている日本に感謝しています。また稲作栽培に関しては国内ニーズを満たすほどではないが家計ニーズを満たす米を収穫できることが分かりました。これから頑張らなくちゃ。。。
引用文:http://www.clair.or.jp/j/forum/forum/pdf_287/13_file.pdf